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コラム

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円安の影響

2024年5月8日

ニュースや新聞で最近よく報道されておりますとおり、2024年4月、日本の円相場は急激な円安が進行し、初旬の1ドル=140円台から一気に15~20円下げ、月末には一時1ドル=160円台という34年ぶりの歴史的円安を記録しました。

その後、急に6円近くも円高に振れたり、1週間で8円超という異常な動きを見せましたが、現時点でも相変わらず155円前後の円安基調となっており、この状態がいつまで続くのか、どう進むのか、見通しは全く不明です。グラフで見るとここ2年の円相場が穏やかでないことは一目瞭然かと思われます。

元々、2022年頃からずっと円安基調で推移し、弊社のような輸入卸業者にとって、大変厳しい状況が続いておりましたところ、今回更に円安が急激に進行したことは、仕入れ単価を直撃し、非常に大きな打撃となりました。

具体的にどう影響しているのかと言いますと・・・(経済のケも知らないので、おかしなところがありましたらご容赦ください)

一般的な例としてですが、仕入れした翌月に支払いという場合、2024年4月に1個140円だった仕入品に対し、5月現在だと1個155円の約10割強増しで支払わなければなりません。差額15円位なら大したことないなと思われるかもしれませんが、取引単位はそれなりに大きいので、その負担は甚大になります。

更に言うと、この2年以上に渡る歴史的な円安で、輸入業者はずっと為替差損を被っているのに、日本では為替相場に対する国や銀行等の補助制度は何もありません。損失を取り戻し利益を少しでも生むために、結局、円安原価に見合った妥当な価格で販売する、つまり値上げとなるのは、やむを得ないことなのです。

でも実は、値上げするのは簡単な事ではありません。今のご時世、少しでも安い物を探したいというお客様が多く、同業他社との価格競争の中、値上げすることで一斉に買ってもらえなくなる危険性が高いですし、一旦お客様が離れてしまうと、それを取り戻すことは並大抵のことではありません。結局、なかなか値上げが出来ず、たとえ値上げ出来たとしても何か月か遅れで、それまで赤字で我慢し続けるしかない。なのに、そのうち更に円安が進み、また損失が増える。一生懸命頑張ってたくさん売っても利益を出せない・・・という悪夢がこの2年繰り返し続いています。

そして、もう一つ大事な点があります。それは、たとえこの後円高基調に反転したとしても、販売する商品は円安時に仕入れした在庫品だということです。

 

一方、円安の影響はマイナスばかりではありません。このゴールデンウイーク、海外からの旅客者が過去最多を記録したそうです。各観光地が大勢の外国人客で賑わったのは、円安の影響も大きかったと言われています。インバウンド需要の増加により一部の市場は活性化し、漸くコロナ禍の影響を脱したように見えました。でも、元々インバウンドの恩恵を受けない市場は取り残され、倒産する企業は昨年よりむしろ増加しているそうです。結局、今の日本経済は他力(インバウンド)頼みで自力の方は弱ったままのような気がします。

どのようにすれば円相場が動き、どの程度までいけば平穏となるのか、難しいことは分かりませんが、少なくとも一輸入業者として自分達は、この苦しい状況をどうにか乗り越え、自力が回復出来るよう、この円安が少しでも早く落着くことを願ってやみません。