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コラム

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「月間低温流通」2026年6月号“冷凍野菜特集”より

2026年5月25日

「月間低温流通」は低温(冷凍・チルド)の食品・食材などを専門に扱う業界誌です。
同誌では、毎年6月号に “冷凍野菜特集” を掲載します。

その対象企業の一つとして、フィールドもアンケートを受けました。
以下、同特集の内容を少しご紹介させていただきます。

 

全体の動向について

今年の“冷凍野菜特集”の見出しは、
「輸入量は過去最高を更新も舵取りの難しい年に」で、
その言葉どおり、冷凍野菜業界は複雑な状況に直面しています。

2025年度の冷凍野菜輸入量は、前年に続き過去最高を更新しました。
前年度比4.5%増の124.6万tで、輸入金額も5年連続の増加、0.7%増の3405億円となりました。
一方で、主要品目(ブロッコリー以外)のキロ単価は下落し、全体で11円安の273円でした。
※財務省輸入通関統計(2025年4月~2026年3月)を基にした同誌集計

冷凍野菜は一般的に付加価値が低く単価も安いため、
物流費や人件費などのコスト上昇の影響を大きく受けやすい商材です。
さらに輸入品の場合は為替変動も直撃します。
この1年、為替は一時的に円高へ振れたものの、その後は円安基調が続いています。
加えて、中東情勢の緊迫化による燃料費や包材費の上昇も重なり、価格維持が難しい状況が続いています。

その一方で、業者間の競争は激化しており、値上げを避けたいという傾向も強まっています。
先行きが見通せない中、どのように舵取りをすべきか判断が難しい・・・
まさに、今年の特集タイトルが示すとおりの難しい状況にあると言えます。

品目別の動向

輸入冷凍野菜の品目別輸入量のベスト10は以下のとおりです。

1位 ポテト 460千トン(構成比約37%)
2位 ブロッコリー   96千トン(構成比約 7%)
3位 枝豆   62千トン
4位 ほうれん草   61千トン
5位 コーン   49千トン
6位 里芋   27千トン
7位 混合野菜   25千トン
8位 いんげん   22千トン
9位 えんどう   10千トン
10位 ごぼう     9千トン

ここからは、上位品目を中心に動向を見ていきます。

ポテト

輸入冷凍野菜の中で最も多いのがポテトで、全体の約37%を占めています。
輸入量は前年比5.6%増でした。
産地別では、米国産が約6割、中国産が4割強という構成です。
2023年頃まではベルギーやオランダなど欧州産が上位でしたが、近年は構図が変化しています。
特に中国産ポテトは低価格と品質の安定性が評価され、ここ2年で1.8倍に拡大しました。 また、インド産も同様に低価格・品質面で強みがあり、前年比68.6%増と急伸しています。
なお、フィールドでは現在ポテトの取り扱いはございません。

ブロッコリー

輸入量2位のブロッコリーは、フィールドでも売上数量3位の主要品目です。
産地は中国産とエクアドル産がほぼ全量を占めています。

ほうれん草

輸入量2位のブロッコリーは、フィールドでも売上数量3位の主要品目です。
産地は中国産とエクアドル産がほぼ全量を占めています。

きぬさや・えんどう

今年の初め頃から、中国産のキヌサヤおよびスナップえんどうが輸入出来なくなり、
全国的に品薄・欠品が発生しました。
原因は、残留農薬基準違反事例の発生により中国側が一時的に輸出を停止したためです。
現在は日本の厚生労働省が検査命令を実施しており、
中国側では新物(5~6月頃)から順次輸出が再開される予定です。
ただし、検査費用の増加により、価格は値上げとなる見込みです。

 

主要国別の動向について

輸入冷凍野菜の国別輸入量のベスト10は以下のとおりです。

1位 中国 667千トン
2位 米国 297千トン
3位 エクアドル   41千トン
4位 タイ   40千トン
5位 ベルギー   35千トン
6位 オランダ   33千トン
7位 カナダ   29千トン
8位 ベトナム   24千トン
9位 台湾   22千トン
10位 インド   18千トン

中国は2013年以降、不動の1位を維持し続けています。
2025年度も輸入量は7.6%増の66.7万トンとなり、
構成比は前年比1.5ポイント増の53.6%に達しました。

中国が強い理由としては、

などが挙げられ、日本の冷凍野菜市場において欠かせない存在となっています。 

気になる動向

今年の特集では、多くの企業が「今後力を入れる産地」として中国を挙げていました。
この結果は、長年中国産を扱ってきた弊社にとって、意外であると同時に大いに気になる動向でもありました。

世間一般的に、中国産の食品は「安いが安全性に不安がある」という悪いイメージが根強く、
2008年の餃子事件を機に逆風はさらに強まりました。
その後も週刊誌に悪評記事が掲載されるなど、時に根拠の乏しいバッシングを受けることもありました。

中国産以外の産地を指定する「チャイナフリー」という言葉が生まれ、
それが安全安心の代用句のようになっていました。
そして、世界的な感染症の蔓延や異常気象などのリスク回避的な必要性も重なり、
多くの企業がベトナム、インドネシア、エクアドルなど新たな産地開拓に挑んできました。

それでも中国産へのニーズは途切れることなく、輸出量は不動の1位を維持しています。
そればかりか、この約20年余りの間、中国は自国の経済発展を背景に、
最新設備や優れた技術を導入し、経験を積み重ね、
品質・安全性ともに世界トップクラスの水準へと進化しています。

しかし、世間ではその中国産の実力や価値が十分に評価されていないと感じる場面も多く、
長年もどかしさを抱えておりましたが、
今回、多くの企業が中国産を再評価し始めたことは、
ようやく正当な評価が得られたようで、非常に感慨深いものがあります。

一方で、大手企業が中国産に本格的に力を入れることは、弊社にとって脅威にもなり得ます。
広大な中国といえども、異常気象などにより原料が収穫できなくなる可能性はあり、
その場合、原料不足や相場上昇といった影響は避けられません。
中国産の評価向上は喜ばしい反面、
競争激化や供給リスクの増大など、複雑な課題も同時に抱えることになります。

 

国産冷凍農産物について

国産冷凍野菜は、生産量が前年比2.2%減となった一方、生産金額は3.2%増となりました。
※日本冷凍食品協会(2025年1月〜12月)

国産冷凍野菜の需要は、学校給食・病院・福祉施設などを中心に年々高まっています。
しかし、国産は産地が限られるうえ、天候不順が常態化し、
更に加工工場の人手不足も深刻で、需要に供給が追い付かない状況が続いています。

昨年は異常気象の影響で、ほうれん草や小松菜といった主要原料が産地で不足し、
弊社の取り扱い数量も前年比33%まで落ち込む結果となりました。

全国的な産地形成、人材育成、設備投資、コールドチェーン整備など、
官民一体の改革は始まっているものの、まだ道半ばです。

 

昨年はなかった新たな課題・問題点

今年新たに浮上した大きな課題が、
中東情勢の緊迫化に伴う包材・資材・燃料の高騰と、これらの安定調達への不安です。
ほぼすべての企業が課題として挙げており、
価格改定は避けがたいという見方が広がっています。

 

冷凍野菜を取り巻く環境は、天候不順や国際情勢などの影響を受け、年々複雑さを増しています。
こうした状況下にあっても、
フィールドは長年培ってきた仕入れネットワークと確かな品質管理を強みに、
安定した供給の維持に努めてまいります。
変化の大きい時代だからこそ、安心してお使いいただける商品をお届けすることが私たちの使命です。

今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。


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